プレイオフへ向けて大切な試合
残り試合が少ない今、ブレイザーズにとって負けられない戦いが続いている。この時9位、8位のメンフィスと熾烈なプレイオフ出場権をめぐる争いをしているわけだが、そんな中迎えるシクサーズ戦。前回のクリッパーズ戦の敗北から崖っぷちのブレイザーズは勝利を収めることが出来るのか。
そんなPORは昨季はカンファレンスファイナルまで駒を進めたのにもかかわらずなぜ不調が続いたのか。原因は攻守にわたる。
オフェンスではヌルキッチやフッドがいなくなりガード二人のみに攻めの選択肢が絞られ守りやすく、また試合終盤のガス欠も目立った。
ディフェンスはより深刻で、チーム全体の意識の低さと言わざるを得ないような体たらくが続いた。
そんな中でシーズン途中にホワイトサイドとカーメロを獲得。名ブロッカーとして名を馳せるホワイトサイドはディフェンスをいくらかマシにしてくれた。メロに関しては詳細な記事を先日書いたのでこちらをチェック。
バブルが明けるとヌルキッチとコリンズが復帰し、メンバーを見れば昨季と遜色なく感じるが、崖っぷちは相変わらず続いている。
対するシクサーズはPGのシモンズが膝を亜脱臼。シーズン絶望と考えられる。この窮地を逆にチャンスと捉え未だ整っていないチームシナジーを構築できるのか。
1Q
PORは流石に気合の入った立ち上がり。PHIはエンビードにボールを集めます。あっという間にヌルキッチが2ファウル。1分で後退せざるを得ません。ピンチ。
PORのディフェンスは気合を感じますが、本当に簡単にフリーが作られてしまいます。PHIのシュートタッチの悪さに救われ、オフェンスは気合通りに事が進み6-0のラン。出来が良いわけではありませんが結果上々な出だし。
タイムアウト後落ち着いたPHIは着実に点を取ります。エンビード起点なのですが、PORが過剰にエンビードに反応してしまいます。ファールするか過剰に収縮してフリーを作ってしまうか。PHIが良いというわけではなくPORが酷すぎます。今季ずっとこう。
しかしオフェンスのガッツで必ず点を取り続けます。リラードを誰も止められません。すると特に良くなっていないPORディフェンスですがPHIのシュートが入らなくなっていきます。試合のペースはディフェンスから掴むとよく言われますが、PORは違います。オフェンスから試合を作るのです。
6分経過したらここまでずっとボールを占有し続けゴールを守り続けたエンビードがロッカールームに下がってしまいます。これはピンチ。PORにとってはチャンスですが。
と思ったら動ける5人のPHIはオフェンスに動きが生まれ、良い攻めになってきてしまいます。良い攻めをされたらPORディフェンスなど止める術は在りません。しかしリラードが毎回点を取り続け、死ぬほど大味な展開に。
これ以上特筆することはなく、言うなればスターの力で1Qに何故か大幅な点差をつけることが出来、19-33で終了。とてもゲームプランとは思えない、リラードの独壇場でした。エンビードがいたら逆だったかもね。
2Q
2QはじまるとPORはマカラム、メロ、ヌルキッチがボールをシェアします。中盤のオフェンスを繋ぐ選択肢が増えたのがPORのバブルからの強み。対してPHIはプレーメイクをする選手がおらずスティールされまくります。謎の選手起用。このHCの考えることは分かりません。
そんなこんなで4分経過で28-44。主導権はPORのままです。タイムアウト。
PHIはJリッチが出るとテンポがつかめます。そしてPORはリバウンドへの意識がごみ過ぎる。勝ちたいんじゃないのか君ら。リラードもベンチで首をふっています。
さすがに酷いPOR。主導権を奪われたタイミングでリラードが戻ってきます。しかしペースを掴んだPHIが攻守ともに支配します。特にJリッチの効率的なプレーが目立ちます。ミドルを落としません。スリーも入ります。もう何をやらせても完璧です。
7点差まで詰められるとメロとマカラムが出てきます。すると一気に13点差。本当にオフェンス一本。しかしこのオフェンス力は侮れません。完璧に止められるチームなんて理論上でもLACくらいなんじゃないの。あそこでもヌルキッチがきついしな。
しかしJリッチも止まりません。PORはメロにボールを集めているので、この二人の点の取り合いです。
それが続き2Q終了。最後の1分はリラードが攻めていました。58-67です。
特筆すべきは最後の20秒。この前のグリズリーズ戦でもあったのですが、なぜかオールコートのプレスを敷かれるとPORは必ずボールを奪われます。まるで中学生です。本当は二桁点差で締められる前半だったのにもかかわらず無駄な失点で9点差です。これが響かなければ良いのですが…
3Q
PHIは引き続きJリッチがオフェンスリーダーです。素晴らしいプレーです。良い選手。
PORはディフェンスリバウンドを取られるとプレスをかけられアワアワしています。そんな所でヒヤヒヤさせないでくれ。プロだろ君ら。
リラードとJリッチの一騎打ちの様相を呈しています。忘れたころにマカラム。
しかしJリッチが良すぎます。これはディフェンスが悪いPORだからというわけではありません。去年の彼を思い出させる的確な判断です。
そして気になったのはメロの球際の弱さ。自分がオフェンスでボールを持てないと集中力が切れるのか、オンボールは彼なりに頑張り続けているのですがオフボールでぼーっとしがち。困ったもんです。
そして悪いのはメロだけでなく、やはり全員リバウンドが悪すぎる。いたずらにPHIのオフェンス回数を増やし自らの首を絞めています。それをオフェンスで取り返す。この繰り返し。それにJリッチの活躍も重なりじわじわと点差が縮まっていきます。
縮められている時はやはりオフェンスの選択肢が2枚以下の時です。この時間帯はリラードマカラムのみ。PHIのようなディフェンスの強いチームでは守り切られてしまいます。ついに同点に追いつかれタイムアウト。メロとヌルキッチをかなり早いタイミングで戻してきます。HCも言っていた通りプレイオフのオーダーです。
それにしてもディフェンスがごみ過ぎる。オフェンスがもしあと1枚でも欠けていたら試合にならない程の酷さです。どうにか手札の多さと個人のスキルでオフェンスは戦っています。
Jリッチはオフェンスでやっとおとなしくなったと思ったらディフェンスが鬼です。リラードにボールを持たせません。本当に良い選手だなこいつは。しかも最後に彼が決めてなんと逆転。92-91です。
4Q
大逆転から迎える最終Q。なぜ楽に勝てないPOR。良いディフェンスのPHI。凄すぎるJリッチといった試合運びですが、彼は最初お休みです。
ハンドラーがいない場合のPHIは誰彼構わずスクリーンをかけまくりミスマッチをどうにかして作ろうと試みます。そしてこれが忘れたころに仕掛けるので短時間ですが効果があります。特にディフェンスの悪いPORには効果てきめん。ぼこぼこ点を取られます。
対するPORはメロが連続得点です。このように一人だけでひたすら支え続けるのがPORオフェンス。スターの理不尽を押し付けるだけのゲームです。それが単純に面白かったりするんだけどね。
PHIはヌルキッチの所を狙いまくります。確かにファールでも誘発できれば良いですし、こんなロスターなのになぜかスモールラインナップを敷いているPHIはヌルキッチのところを攻めるのが常套手段ではあるでしょう。
そんなこんなで組織のPHI。スターの理不尽のPORで試合は膠着状態となります。それにしてもPHIのサイブルはディフェンスが良い。PORのスター選手たちも彼がマッチアップだと思うように点が取れませんし、なんならスティールまでしてしまいます。リーグ内でもトップのディフェンダーと自分は推しています。
残り5分40秒、Jリッチがスリーを決め5点差です。本当に大活躍の彼。これが皆が揃っていても出来るとPHIは優勝を狙えるレベルでしょう。エンビードとシモンズがいるとなかなかスペースがないので彼の今日のようなプレーが出来ないんですよね。
PHIが組織的に点を取り続ける一方リラードが返し続けます。そろそろクラッチタイム。
PORはチームの共通認識として、終盤まで5点差以内に抑えていれば上出来といったゲームプランとしか思えません。まず5分を切るとPORのディフェンスの意識から変わります。マカラムやヌルキッチがかなりタイトにつきます。しかし決めるのがJリッチ。
4分で印象的なプレーが出ました。リラードハンドラーでヌルキッチとピック&ロール。よった所でマカラムにパス。空いたスペースにドライブをするとさらにディフェンスが収縮。ここまでで止められてしまい、得意のクラッチタイムに点が取れなかったのがシーズン序盤。しかし今回はその空いたサイドにメロがいます。しっかりとヒットしJリッチに決められたスリーを返します。
中盤にボールを持たせ自由にプレーをさせ、終盤はコーナーのスポットシューターとしてメロを使うPORですが、かなり機能していることが分かります。サンダー時代は中盤の自由度がなかったため、殆どシュートを打たないまま終盤にいき、フリーでもヒット出来ないような事態が続いていました。まああのハードワーカーが集うチームでディフェンス穴過ぎるのが一番の原因だけど。
PORのようなディフェンスガン捨てオフェンスガンガンチームでしかメロの居場所は在りませんでした。キャリア終盤に安息の地となるか。ここからの活躍次第です。
3分を切るとデイムタイム。いきなりスリーカウントです。そして連続してスリーをヒット。本当にすさまじいなこの選手は。一気に6点差。
PHIは綺麗なパスワークからハリスがダンク。4点差。そして先ほども紹介したサイブルがスティール!しかしJリッチからのパスをハンブルするのもサイブルです。かわいい。オフェンス能力が全くなく、これからの成長に期待するしかないのも推しポイント。
そのハンブルがジャンプボールとなり、PORボール。これはでかい。
そしてリラードが流麗なレイアップです。6点差。
PHIはここも流動的なオフェンスからイージーなレイアップ。4点差。
PORはシュートが外れますが、ここでヌルキッチがホーフォードを完全に止めます。30秒。
PORはリラードがスリーを打ちますが入らず、先ほど止められたホーフォードがスリーをヒット!
残り12.2秒1点差!
ここでよみがえるのが前回のロケッツ戦でリラードがFTを外し敗戦した記憶。今回はどうなるか。
ファールゲームでFTを打つのはヌルキッチです。2本ヒットで3点差。10.2秒。
PHIのオフェンスを止め、接戦を制したのはPORでしたとさ。
メロがJリッチについていましたが良く頑張ってつきました。そしてリラードは51点。なんも言えねえ。
PHI総評
シモンズもエンビードもいないまま、しかも相手がPORだと特に分析できることもありません。
しかしそれでも特筆すべきはJリッチ。素晴らしい活躍でした。
彼がいなければここまでの接戦はなかったでしょう。
POR総評
それに対しこいつらは死ぬほど言いたいことあるぞ。
まずディフェンスごみすぎ。せめてリバウンドは皆の共通認識として気合入れてほしいというもの。それもスクリーンアウトを怠っていることが大きな理由です。ガード陣がさらっとオフェンスに意識を向けてしまうので、飛び込みを許してしまっています。ここはすぐに改善できるでしょ頼むよ。
しかしこのチームの今季のコンセプトは自分が見るにディフェンス全捨てオフェンス全BET。それにしては主導権を握られたときにオフェンスのカード2枚で打開できないのは頂けません。常に3枚コートに置くのは非現実的です。もしプレイオフに行けても今日みたいなヌルキッチのファールトラブルはつきものだしね。
そしてプレスに弱すぎます。本当に中学生を見ているかのようです。その無駄なターンオーバー、失点がなければもう少し楽に試合が運べるというもの。これもすぐに改善できるでしょう。して欲しい。
弱点はたくさんあるものの、バブルに入ってからクラッチタイムを僅差で迎えることはできています。この最低限の目標をクリアしているのが救いです。リラードにお任せ出来る状況を整えること、そこまでチーム全体で戦えることがゲームプランであるので、粗削りなところも、ハラハラする試合展開も、時には声を荒げながらも愛していきましょう。
バスケ少年に贈るTips
今日取り上げるのは51点の活躍のリラード!
兎角PORに突っ込みまくりの自分ではありますが、リラードの実力は全面降伏です。
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