大黒柱抜きのPHI vs ノッてるPHX
前投稿同様大黒柱であるエンビードが欠場であるPHI。勝てるプランを実行できるのか?
それに対し昨季まで完璧なまでのドアマットを演じ最下位争いの常連であったPHXは下馬評を覆し現在高順位をキープしている。ドラフト1位のエイトンがドーピング反応により25試合欠場という痛手を負いながらの快進撃の要因とは?
絶対的エースブッカーの役割は?新加入ルビオの及ぼす効果は?このあたりに注目しながら試合を見ていこう。
game report
開幕して最初に驚いたのがPHXのオフェンス時のスペーシング。フロアを広く使い各々の能力が最大限に活かされるポジションでボールをもらうことに成功しています。
対してPHIは鬼のようなディフェンス。スティール怖すぎ。シモンズ怖すぎ。
しかしオフェンスは全くボールが動いていません。ハリスやjリッチの狭いスペースでの無理やり1on1しか起こらず、それでも点が取れてしまうのがスターたる所以なのか…
PHXはべインズが攻守両方で良い味を出しています。オフェンスでは効果的なポストオフェンス、ディフェンスではシモンズについて中を固めます。ディフェンスに関してはマッチアップのシモンズにシュートがないのが一番の原因の気もするけど。
PHI、交代してもディフェンス力が落ちません。サイブルはルーキーなのにかなり良いですね。攻守両方でのトライがより成長を促進させます。しかしオフェンスは永遠にハリス頼み。ひどすぎます。
ハリスが下がると今度はjリッチ頼み。こいつらハーフコートのセットとか練習してねーのかよ。PHXのブッカーはアシスト役に徹しています。パスがうまくなったのかチーム内の決め事でポジショニングについて設定しているのか、かなり的確です。
ぐちゃぐちゃなのに個人能力で打開してしまったPHIが31:29とリードし1Q終了。PHXの円滑なオフェンスはルビオ効果かと思っていましたが、ハーフオフェンスが純粋に皆意識の統一が図れています。まるで強豪。
2Q、PHIはセットオフェンスを展開し綺麗に点を取り始めます。PHXも勿論きれいなオフェンスです。両チームともに指摘する点があまりありません。共通しているのはオフボールのディフェンス手抜きすぎじゃね?くらい。低レベルな点の取り合いが続きます。
徐々にPHXのオフェンスのクオリティが下がってきます。オフボールの動きがなくなり、ボールが孤立します。このゲームを通じてプランが実行できない感じ、弱いチームの典型な印象なんですけど。何が変わったんだPHX。
本当になにもないまま61:55で前半終了。つまらない…(笑)
後半が始まるも何も変わりません。でもいつの間にかブッカーがかなり点を取っています。
パスの供給のイメージが強かったですが、ルビオが出ているとドンピシャなリードパスから驚異的なスコアリング能力を発揮しています。
今までここまで素晴らしいスコアラーがいながら下位に沈んでいたのは周りに責任があったよね。明確なゲームメイカーとチーム全体のスペーシングの意識がPHXの変化かな。
PHIはかなり軽いオフェンスです。シモンズがドライブしたところに合わせて少しだけ横ずれ、ワンパスで少しの合間にスリー。はっきりいってめちゃくちゃつまらん。エンビードという明確なオプションが消えるとここまで意味が分からなくなるかPHI。
3Qも時間が進むと徐々にブッカーが本領を発揮し始めます。なんでそれ入る?ってとこで難なく決める。対してPHIも軽いオフェンスのわりに点が入ります。ただシュートが当たっているだけ。
そんなこんなで一進一退の攻防とはとても言えないなあなあな点の取り合いで82:81。最終Q突入です。
4Q、両者ともディフェンスがかなり締まります。そんな中冷静にファールを貰うルビオのFTからスタート。やはりこの男は安心するよな。浮足立ったPHXが一気に落ち着いたもん。
対してPHIはかなりふわふわです。ディフェンスの気合がオフェンスで空回りしている感じ。しかしホーフォードとコークマスが安定したオフェンスを取り戻します。そしてシモンズが戻ってきて落ち着くように。ここまでで8点差ついています。
ハードなディフェンスからトランジションで点差を詰めようとするPHIに対し、ルビオは絶妙なコントロールで点差を縮めさせません。しかしここでホーフォードがラッシュ。同点に詰めます。
この試合はホーフォードとハリスが個人能力を如何なく発揮していますね。きれいな1on1をセットできれば必ず得点してくれます。
そしてそれはブッカーも同じ。本当にすべて決めます。そんな拮抗した両チームは3Qまでとは毛色の違うシーソーゲームです。やっと面白い。
全く止まらないブッカーに対しPHIはダブルチームを敷きます。しかし他三人のカバーが悪く、余裕で点を取られてしまいます。30秒6点差。気合でホーフォードが3Pを決める。3点差、ファールゲームです。次のオフェンスは外れ万事休す。109:114で試合終了。
PHI 総評
ディフェンスは素晴らしい。前回はエンビードの不在を痛感しましたが、今回はハードに実行されていました。しかし終盤のブッカーへのダブルチームからが最悪。まずダブルチームを敷くならブッカーへのマークはjリッチにしなきゃダメなのでは?前回の試合はシモンズの神がかり的なカバーリング、ポジショニングで負け試合をモノにしました。しかし今回はシモンズがブッカーをマーク。ヘルプディフェンスが拙くがんがんフリーでイージーに点を入れられてしまいました。最後の敗因はそこかと。
勿論それまでのマッチアップはシモンズであるべきです。というよりシモンズしか無理です。なぜ中盤はjリッチをマッチアップさせていた?稚拙なコーチングを感じます。
オフェンスに関しては、3Qまでは恐ろしかった。なんだあれは。部活の流しの5on5のよう。終盤もホーフォードがバカ当たりしてたからついていったものの、正直どうなのか。唯一ポジティブな材料は、前回当たったコークマス。相変わらずディフェンスはボロボロですが、オフェンスはかなり効率的なプレーでした。きれいなシュータームーブでディフェンスに歪みを作り出しました。
エースが抜け、さくっと連敗するか、誰かがステップアップし一回り成長して復帰を迎えるか、真に強いチームはもちろん後者ですよね。
そういう意味でこの2試合、良くもあり悪くもありました。前回はネト、2試合通じてコークマスと、ステップアップしてくれる選手もいて、スコア上だけであればホーフォードやハリスも頑張りました。しかしスタメン陣の内容は散々。この点はマイナスかと。
エンビードもロードマネジメントを要する選手ですので、長いシーズン大黒柱抜きのゲームも多いこのチーム。成長の糧と出来るかが優勝へのカギとなるでしょう。
PHX 総評
今季はじめて試合を見ました。ドアマット的な雰囲気は感じなかったことにまず驚き。
game reportでも触れたので割愛しますが、ブッカーが段違いで効果的になりました。ちなみに今回の彼、FG78.9%。化け物です。そんなん勝てないわ。
他にも今日出場したほとんどの選手が50%を超えています。やはり最大の要因はルビオ。
PHIのハードなディフェンスに浮足立つことがあってもすぐさまコントロールし、的確なパス供給と自身の適度な得点により全員の効率が飛躍的に上がっています。ウーブレちゃんがこんな効率的に点とってるなんて感無量。
しかし体たらくなPHI相手だったので、今季の強さが本当に映し出されていたのかというと確信は持てません。しかしまた見たくなるような、そんなチームでした。
バスケ少年に贈るTips
今回PICK UPするのはリッキールビオ!
ヨーロッパで神の子と言われたルビオはNBA入りするも怪我など苦しいキャリアを積み、W杯では母国スペインを優勝に導き大会MVPに選ばれた正統派PG!!
そんな彼のプレイスタイルはその素晴らしいゲームメイク力にあります。
ど派手な身体能力や並外れた得点力があるわけではないのに、チームになくてはならない存在です。
ぜひぜひ参考にしてみてくださいね!
PICK UP
そして注目するのはやはりルビオのユニフォーム!
自分としては今のプレースタイルはジャズでより洗練された、活かされるようになったと感じています。なので昨季所属していたこのユニフォームです!